触覚の差異でサイズ感が変わる

汗によって皮膚に感じる摩擦やべたつき感がサイズを変える

リングサイズの測り方から抜けない指輪の抜き方、指のサイズの変化するわけなど、指輪の知恵情報庫です。

なぜサイズがぴったり合っているのに指輪の形によって着け心地に差が出るのでしょう。 20年間リングサイズを測った日々からの実態レポートと指輪サイズの謎。 はずせない結婚指輪。サイズが変化するわけ.

指輪のサイズの知りたい なぜ? コンテンツ

結婚指輪を着けている手

金属の材質の違い=皮膚感覚によって、触感が変わり指輪サイズにも影響します

銀の表質はべたべた チタンはサラサラ プラチナはペタペタ

指に触れる触覚がもっとも鋭いのは指先ではありますが、指輪を抜き差しする時にもっとも触覚が試されるのはゆびの関節だったり根元だったりします。摩擦や刺激も指輪サイズに影響します。まとわりつく金属ではきつく感じます。もっとゆとりが欲しくなるのです。それに対しサラサラとすべるような肌触りの金属はそうしたサイズの遊びが不要になります。ちょっとした汗によって密着してしまうのが金や銀で、逆にまとわりつくことなくすべすべとした触り心地が持続するのがチタンです。この差が指輪のサイズの感覚の違いとして現れます。これはビニールのレインコートとコットンのTシャツの肌触りの違いとイメージできます。
▲資料:わたしたちは触覚のことを忘れている?
▲資料:材質と触覚の関係
▲資料:人はなぜ皮膚感覚を感じ取れるのか

指輪の素材となる金属の密度により、触り心地が違い、そのせいで、着け心地とサイズ感が違ってくるのです。

シルバーはべたべたと、プラチナも指に張り付くのに対し、チタンはさらさらでするっと逃げる感触です。着け外しがらくです。他の貴金属では関節でひっかかるきつい指輪もチタンなら抜ける場合があります。このため、金属素材によって、同じサイズでもきつく感じなかったりばらつきが出ます。指輪を着け慣れない初心者の方は、抜けなくなりそうで怖いと思い、シルバーリングのサイズを1号あげてしまうこともしばしばあります。チタンの場合はそのような配慮はいりません。
シルバーをつけるサイズはシルバーのゲージで測定し、チタンの指輪を着けるサイズを知るにはチタンのゲージを使用するべきですが、市販の違う材質で計測するなら、その誤差をわかる専門家に頼むか、このサイトで紹介する自分で正確に測る方法で快適な指輪を。

既製のサイズにない小さいサイズ

ベビーリングは赤ちゃんご誕生の記念に、作るものですが、実際に赤ちゃんの指を測って記念として作っておくという方も。
一般に市販されている出来上がったベビーリングは、赤ちゃんの指が何号かではなく、おかあさんがペンダントとして身に着ける宝石入りのものが多いのですが、赤ちゃんの手型、足型を残すような感覚で、ベビーリングをパパママとお揃いで作るというのもあります。

指の付け根にはめるのが普通の指輪。
それ以外の第1関節と第2関節の間に着けるような指輪の何号と言えないイレギュラーなサイズも、自分で指周りを正確に割り出すことで、測定できます。

日本サイズ、アメリカサイズ、ヨーロッパサイズに関わりなく、mm単位で測定することで、どんなサイズの指輪も制作可能になります。

超きつめとぴったりのきつめサイズ

正確さの秘策は”超きつめ”に測る

測り方の手順超きつめに測ったサイズをTOPでご案内したところ、お客様からこのようにご意見をいただきました。
『超きつめで指輪をはめれるわけではないのでややきつめの長さを参考にして欲しい』とのことでした。この超きつめというのは、正しく測っていただくための、伏線として、締め付け感を知っていただくための秘策です。
お客様によっては、紙がちぎれてしまうので、片側をテープで固定してから引っ張って測ったというケースもあります。
ただ単に指の円周を測って換算すれば合うものではありません。そもそも指はまん丸ではないし、指周りは指輪が落ちてしまうサイズに等しく、指からするっと落ちないサイズというのが着け心地良くフィットするサイズなのです。このような理由から、糸で代用して測っても落ちる、抜けてしまうサイズしかわからないのです。

[超]とつけて、"きついほど正確です"とお願いするようになったいきさつ。


この方法でどうしても、紙で測る際、ゆるく測られがちで過去7年の実例から、改良に改良を重ね、超きっつきつに測ってほしいとお願いすることで、正確な号数に近づいたためです。

金属の輪が抜け落ちないためには、ある程度指に留まらなくては実用に耐えない指輪になってしまうからです。
顔を洗ったり、シャンプーのときも着ける結婚指輪というのは、初めて指に紙を巻く段階でややフィットする程度では、あとあとゆるく感じるようになるのです。
測る時の最初の違和感がサイズに含まれてしまうからです。永年のフィット感というのはもっとタイトです。初回の異物感を測定値から差し引いて、正確な指輪サイズを知るには、超きつめに測る必要が出てくるという方法に、試行錯誤の末、たどり着いたわけです。
指輪を着けなれない男性は特に、「抜けなくなると恐い」からとおっしゃいます。節でひっかかることが多いせいで、すんなり入るのに、抜けずらい指の形態が圧倒的に多いです。
入った指輪は必ず抜けますので、最初の数日の違和感のために、ゆるめの指輪を作成してしまうようでは、指輪がはっきりからだの一部のような存在に成った頃には簡単に抜けるようになってしまいます。
そんな男性に対し、女性はというと、買ったときはちょうど良かったのに、あとからゆるくなった経験をお持ちの方はけっこう多いのです。
このサイトには、そんな指輪サイズの七不思議のようなうんちくと指輪サイズを測る苦労を盛り込んでおります。

サイズ直し工程と地金の関係

シルバー925とピンクゴールド

ルバー925でも、ロウ付けする際、高熱が加わることでヒムラと呼ばれるしみが浮き出てきます。
これは、銀にブレンドされた銅成分が融点の違いから先に溶けたり膨張したりして表面化するものですが、ピンクゴールドの地金の場合、シルバー925より多い配分で銅がブレンドされており、ロウ付けなどのサイズ直しの際には、色ムラが出たり割れたりということも起こったことから、サイズ変更には消極的に考えた方がよさそうです。

サイズ直しの困難な地金

サイズ直しの困難な地金はチタンのほかにピンクゴールドが挙げられます

チタン、ジルコニウム、タンタルは完成後にはサイズダウンが困難です。タンタルについてのデメリット

割金と色と硬さの関係

  • K18 イエローゴールド----金75%+銀12.5%+銅12.5%
  • K18 ピンクゴールド:他の金合金より硬い------金75%+シルバー4%+銅19%+パラジウム2%
  • 金75%+シルバー10%前後+銅5%前後+パラジウム5%前後+微量の亜鉛などをブレンドする製造者もあり、まちまち。
  • K18 ホワイトゴールド----金75%+パラジウム25%

ピンクは銅を多くする事でピンク色になり、硬くなります。
ホワイトはパラジウムをブレンドする事で白くなります。

アレルギーの原因となるニッケルを混ぜてしまう業者もあり、基本のゴールド75%以外の割がねに何が使われるかは定まっていません。

基本的にゴールドですので、いくらパラジウムを混ぜるといってもシルバーやプラチナのように全く綺麗な“白色”の発色はしません。市販のホワイトゴールドはそれを補うためロジウムめっきがしてあり、白く見えますが愛用するうち、コーティングは剥がれ黄色っぽくなります。
やはり75%は金ですから、やや黄色みがかったり、残り25%の割金の差によっては着けずに放置してしまうと、赤茶っぽく変色したりします。

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